「タイトル未設定」

きっとシャングリラだよ

【超初心者の】推しとCMと私

どうもこんにちは、今回は書いておきたいことがあったので懲りずに超初心者シリーズです。

 

推しの新CMが決まった。

 

相葉さんの缶チューハイ、二宮くんのビール。すごい。おめでたい。うれしい。
私はできたてほやほやのTwitterで眺めていて知りました。Twitterの趣味垢はこういうとき便利ですねぇ……

私は11月のコンサートから徐々に沼入りした人なので、新CM契約社が決まりました!みたいなタイミングに立ち会ったのはこれが初めてになります。いやもしかしてその間にもあったのかな…?まぁ観測圏に入ったのがこれが初めてっていうことです。

この機会に、CMについて超初心者的に気づいたことがいくつかあったので、覚えていられるうちに書いておきたいと思います。

 

1.うわっ……嵐って、身の回りにいすぎ…?

 

何度も書いていますが、私はここ10年近くTVをほとんど見ていなかったので、自動的にTVCMというのから縁遠い人間です。そのため、嵐のみなさまがどれだけCM契約をお持ちなのかもよくわかっておりませんでした。おりませんでしたが、蓋開けてみたら、ねぇ、すごいいっぱいあるんだね???すごいね????びっくりするぐらい嵐いるじゃん。過去のも合わせたら十分暮らせるよねこれ。

いろいろ漁ってみたものの、「あ~こういうのあったね~」と思えたのは後ほど長々書く1社と、冷蔵庫買うときに見かけた日立と、高校時代、友人とよく待ち合わせに使っていた駅ビル東口の背後の壁にでかでかと広告が貼られていたので覚えていたauぐらいでした。ちなみにauのは5人がほぼ等身大でスーツ着てスマホ持って立って並んでて、その時に初めて「へ~相葉ちゃんが一番背が高いんだなぁ」とぼんやり思ったのは覚えています。高校生の私よ、今すぐ写真を撮るんだ。10年後ぐらいの私が後悔するぞ。

エンタメに関して離島の民のような生活をしていた私はもちろんのことですが、人間はチューニングが合わなければ何も見えません。「興味がない」というのはすごいことです。私は札幌ドームでのコンサートの帰り道の新千歳空港で初めて、嵐がJALのポスターにいることを認識しました。行きの空港利用の間、(いくら乗ったのがANAだったとしても)1度も視界に入らなかったということはたぶんないと思います。私はそれまで見えていても、興味がなかったために「見えていない」ことになっていたわけです。

逆に言えば、それがCMにタレントやら俳優やら歌手やらスポーツ選手やらを使ってもらう理由なわけですよね。タレントで興味を持たなかったら、柔軟剤とか、鼻炎薬とか、湿布とか、目に入ってないかもしれないわけですよ。置いてあっても「見えていない」んですよ。私、しばらく前に朝ごはんをシリアルにしてみようかと思ってとりあえずやっすい地元スーパー自社ブランドのグラノーラ買ったんですけど、これがびっくりするぐらいまずくてですね。こんなもんなのかなぁこれ食べ終わったらやめよう、と思って頑張って食べきったんですけど、せっかくだからね、フルグラさん買ってみたらめちゃくちゃおいしくてですね。やっぱメジャなやつは違うなと思いましたよ。お値段倍ぐらいするけども。こうしてCM効果というものが生まれるわけですね。という気づき。

 

 

2.みなさまの購買力がすごい

 

発表のタイミングに初めて立ち会ったわけなので、相葉さんのチューハイが発表されたときの葉担のみなさまを見たのも初めてだったわけですけど、すごいんですね。買うぞという意志が。今こそ力の見せ所みたいな熱が。何ならチューハイ出る前からアサヒ様推してくぞというパワーが。すごいぞ。

私は2次のオタクも3次のオタクも兼ねていましたが、推しが「自らの本拠地と関係のないCM」(嵐で言えばCDや番宣でない、ということです)に出たのを見るという経験がほとんどありません。なので自分の領域に引きつけて考えると、たぶん2次オタクでいう「コラボが決まった」に感覚として近いのかなと考えます。コラボカフェとか、コンビニとコラボして対象商品買うとファイルもらえるアレ(最近某ドラマもあったけど)とか、ソシャゲのコラボでキャラが別のゲームにお邪魔したりだとか。つまりは「本来のフィールドでないところやもののための、いわゆる「公式」でないところ製の推し(しかし公式認定マークつき)」というやつです。それは新たな供給であり、新たな解釈の獲得であり、新たなファンの獲得機会であり、ときどき地雷です。

でね、何が言いたいかっていうとなんですけど、Twitterをザッピングしてたら、「これでここの商品がたくさん売れたら、他の4人も呼んでこれるかもしれない」みたいな主旨のツイートを見つけてですね、ハッとしたわけですよ。

やっぱりコラボしてもらうからにはね、「俺たちの推しはこんなに人を呼べるんだぜ!」みたいな、「ドル箱だぜ!」みたいなのを相手方に見せつけんといかんと思うわけですよ。次の機会をもらうためには。ついでにそういう評判が別のお仕事につながるためには。ついでに本業もうまいこと回していくためには。その視点がね、今までの私には欠けてたね。うん。

ついでに、そのコラボがとっても良かったときに、その商品を買うのがありがとうの最高の示し方なわけじゃないですか。私はナチュサボンのCM見たときに「今すぐにこれを作った人の住所を教えてくれ、お歳暮を送る」という気持ちになったんですけど、お歳暮は贈れなくてもナチュサボンは買えるわけです。良いと思ったものに合法的にお金が払え、ついでに商品も手に入るわけです。つまり実質タダじゃないですか。(この文章は麦とホップを飲みながら書いているので若干知能に問題があります)

あと、これはぶっちゃけた話なんですけど正直言って案外嵐さんにお金払える機会ってなくないですか……?いやあくまで供給量の割にって話ですよ?CDそこまで高くないし、コンサートは入れるかわかんないし、あと雑誌…?現在私はハマってたジャンルが最終回を迎えてしまい(その反動でこうなってる自覚はちょっとある)オタクとして開店休業状態にあるのですが、イベントや舞台が頻繁にありそして多ステが容易にできる、推しを手に入れるために課金が必要、というジャンルに比べ、供給とお金の比率がこれで良いの……?と不安になる日々を送っているので、ビールぐらい買わせてほしいというのもあります。

反省したよね。もっとね、今後は考えていこうと思いますよ。やっぱりこう、推しを支えていきたいという気力。体力。あと私はファンのみなさまがハッシュタグ使おう!とか良かった番組にお便り出そう!としているのを見てすごく偉いなって思う。見習いたい。やはり好きなものには好きです良かったですって伝えないのは損だ。最終回が来てしまってからでは遅いんだもの。

 

 

3.私が「中の人」だった頃の話

 

先ほど覚えているCMとして挙げた1社の話。私は大学時代、東京の住宅街にある紳士的なドーナツ屋でアルバイトをしていました。察してください。その期間は、相葉さんがそのドーナツ屋のCMに出ていた頃とドンピシャで被っていました。紹介される商品みんな思い出あるもんな。良い思い出悪い思い出とかそこはまぁね、いろいろあるからね。

しかしながら、当時の私はTVをほぼ見ておらず、相葉さんが出ているCMを見た記憶はほとんどありません。あと紙媒体の広告にそこまで多く出てこなかった気がする。パネルとかも、アンテナ的な、店舗限定とかが回って来るお店でもないほんとに小さなとこだったし……普段本当に近くの病院に通う爺さんとおばあさんしか来なくて、カート押したおばあちゃんが「いつもの」とか言って注文してた。この辺はもしかしたら葉担のみなさまの方が詳しいのかもしれないですけど。それで、1つ強烈に覚えているのがある。

そう、それは映画、デビクロくんの公開時期でした。その紳士的なドーナツ屋がかなりでかく協力に入ってて(最近見て某シーンで思わず笑ってしまった)あの時は店頭に映画ポスターのパネルが出たんですよ。確かね、記憶でしかないけど。

あの時のことを強烈に覚えています。当時はクリスマスにセットがあって、あの年はカップケーキだったかな、それとグッズがついていくらみたいなのがあったんですよね。辞めてから○年経ったから時効だと思って言うけど、あの時期って本当面倒くさくて、限定ドーナツは作りづらいわ箱に詰めづらいわ、話聞かないおばさんへの説明はめんどくさいわ、それなのにお客全員におすすめトークをすることを義務付けられるわノルマはあるわ、で本当面倒くさかったんですけど、その年は確かねぇ、マグカップとくまのぬいぐるみかなんかだったの。正直、出ないと思った。これは勧めるの苦労するぞと。

ところがどっこい。瞬時に消えた。とりあえずうちの店はね。予定期間より相当早く終わることになりました。

なんでかって、ポストカードついてたんですよ。相葉くんの。いやでもね、当時はあんまりわかってなかったからね、これでかぁ?みたいな半信半疑感があったんですよ。

ある日、そろそろ上がる時間やなぁと死んだ目でレジに立っていた私の前に、20代前半ぐらいの女性が現れて、クリスマスのカップケーキを買われました。細心の注意を払って箱詰めしているとき、その女性が私に言いました。

「あれ、クリスマスが終わったらもらえませんか」

なんのことか全然わからなかったよね。視線の先に、デビクロくんのポスターのパネル。

マジかぁ、と思ったよね。本屋とかだとたまにあるんですよね、漫画の告知ポスターの類とか。しっかしまぁ、ドーナツ屋でバイトしてて言われるとは思わなかった。ぺいぺいのバイトには保証ができないので残念ながら丁重にお断りしたのですが。これそんなにほしいもんなのかなぁって思ったよね。

今ならその2つはつながるんだ。そして買いに来た人達が何を思っていたのか、よくわかるんだ。あの年のクリスマスセットが予想より早く終わった訳と、あのポスターくださいって言ったお姉さん。ポストカード1枚だけだったけど、あのクマのぬいぐるみ、確か映画のグッズでもなんでもなかったけど、たぶん、みんなそれでも買いに来たんだよね。ありがとうなのか、次もお願いしますなのか、そこのところはわからないけれど。

そして今気づいたのは、紳士的なドーナツ屋で何度見かけていたとしても、当時の私は相葉さんに落ちるなんてこれぽっちも思ってなかったってことだ!わはははは!!人間どう生きようが落ちるときには落ちるのだ!全てはタイミングなのだ!人間いつだってこんな好きな人に出会う季節二度とないのだ!わはははは!

 

長くなりました。そんな、超初心者がCMについて考えたことでした。20日、待ってます。楽しみだなぁ。

映画『青の炎』悲劇は少年の形をしている【感想】

お世話になっております。いかがお過ごしでしょうか。

それでは今回も映画感想いってみましょう。今回はこちら。どん。

 

『青の』 監督:蜷川幸雄 主演:二宮和也

 

一気に時代をさかのぼりましたね。なんていうか全てはここから始まったみたいなのを見てみたかったわけですよ。いやこの前だってあるんですけど、なんていうか二宮くんの巨匠キラーの歴史みたいなもんじゃないですか。やっぱりね、こう、履修しておきたかったわけですよ。

 

※なお原作は未読。圧倒的ネタバレを含みます。個人的には結末を知らずに見てよかったなぁと思う作品なので、見ていない方はブラウザを閉じ即刻TSUTAYAへGOでお願いします。

 

 

 

「僕は、独りで世界と戦っている」

 

名コピーだと思う。本当に、この映画を一言で表すと、これに尽きるんだと思う。

自分は「独り」だと思うこと。自分が戦っているのが「世界」だと思ってしまうこと。戦わなくてはいけないと思ってしまったこと。

それらすべてが、子供でもなく大人でもない「高校生」という生き物であること、そのものなんだと思います。

この映画はありとあらゆる意味で、「高校生」っていうのはどういう生き物なのか、っていうもので。

櫛森秀一くんは頭が良いけれど、悪い子でもあって、でも人に見せるための不良でもなくて、エッチなことにも興味があって、でも女の子にそこまで積極的になれるわけでもなく、友達もいくらかいて、絵が上手くて、でもそこまで熱心でもなく、妹と母さんのことが大好きで、そういう男の子。目指したものは完全犯罪だったかもしれないけれど、ミステリやサスペンスものの典型としての意味で、彼は決してヒーローではない。ただの男の子。

本当は、彼は独りで戦ってはいけなかった。独りで戦うべきじゃなかった。もっと多くの誰かに救いを求めるべきだった。そもそも戦ってはいけなかった。それは彼の役目ではなく周りの大人がすべきことだった。そして彼が戦った相手は世界なんかでは全然なかった。もっとちっぽけで、とるに足らないものだった。うまくいくわけがないんだ。だって勘違いなんだもん。

でもそれを、「独りで世界と戦っている」と思い込めてしまったのが、秀一くんが高校生だった、っていうことなんだろうな。

秀一くんのクラスメイトたちは、何だか事情もわからないなりに必死に秀一くんのアリバイを証明するように刑事さんたちに嘘をついた。彼らは一生懸命に友人を守った。けれどそんなものは大人たちに簡単にすり潰されてしまう。ちっぽけな高校生たち。

そうして勘違いしたまま戦い続けた「世界」の重さに耐えかねた秀一くんは、ふいっと皆の前からいなくなってしまった。実に高校生らしい方法で、逃げないために逃げていってしまった。

なんかもう、彼について是か非かとか、善か悪かとか、倫理とか道徳とか、そういう問題じゃないんだよな。ただ、そういう存在だった、っていう、それだけの話なんだよな。櫛森秀一という男の子がいた。櫛森秀一はこういう男の子だった。それだけ。

 

「少年の存在というのは悲劇にならざるを得ない」って言ったのは宮崎駿だったと記憶していますが、狭い水槽の中で、息苦しく口をぱくぱくさせてる、正論で生きていけないことはわかっているけれど嘘ばかりの大人になってしまうのが怖く、後になってみれば一瞬で過ぎ去ってしまうのに渦中にいる間は今の苦しみが永遠に続いていくように感じる、そういう「あの頃」の悲劇性の美しい標本みたいな映画だと思います。

 

 

演技と演出の話をします。もう全体の雰囲気からしてきらきらと透き通っていて冷たくて静かな、下手に情緒的でもなく、なんていうか水の底みたいな雰囲気がずっとありますよね。人々も景色も。

それからセリフなんかはあんまり説明的ではなく、ただあのガレージを見ただけで秀一くんがどんな人間かわかるような、そういう画がすごいなぁって思う。水族館とか、夜のコンビニとか、洞窟みたいな高校の前の坂道とか、そういうパッと思い出せるような背景がすごいよね。すごいしか言ってないな私…すごい。

なんていうか全然見てないのに言うんですけれど、大野さんはたぶん、スタートからキャラクター性がかっちり決まっていて、彼はこれこれこういう人、それがこんな目に遭うとどんな振れ幅がでてくるか、っていうスタイルの作品にキャスティングされると活きる人で、逆に二宮くんはその人となりをずっと作中時間で一緒に追いかけていって、見終わった頃にああ彼はこういう子だったのか、っていうのがふっと残る、みたいなそういう性質のものにキャスティングされるのに向いてるんだろうな、とふと思いました。なんとなく感覚で言ってるけど。これもそういう作品で。

何がすごいって、お目目なんだよな……きらきらしてるんだけど、なんつーのかな、ああもうここには二度と戻れないんだろうな、っていうような、そういうやべぇ光と見えにくい熱みたいなのがありますよね。刹那的っていうのかな、そういうのが秀一くんという生き物なんだけど。そしてそのままきらきらとしたものを失わないように時を止めてしまうのだけれど。

それから「痛みを置き換える」ための声ね。本当に。最後の好きなものの羅列。あれだけでオートマで涙が出てきそうになるもんね。松浦亜弥ちゃん。最後の絵筆を手にこちらをにらみつける表情だけで5000兆点あげる。

 

悲しく、だからこそ、それでこそ美しい映画です。悲しいっていうことの、若いっていうことの、苦しいっていうことの標本みたいな映画なんだよ、本当に。

 

 

 

業務連絡。Twitterアカウント取りました。ラストレシピ感想、びっくりするほどたくさんの皆様に読んでいただきました。ありがとうございました。今後ともおつきあいください。

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【見た】
ラストレシピ 麒麟の舌の記憶
MIRACLE デビクロくんの恋と魔法
魔王
ラストホープ
世界一難しい恋
青の炎
ぼくらの勇気 未満都市

【見ている】
99.9

 

ドラマ『ラストホープ』貴方はそれを肯定するか【感想】

はい、今回はドラマ感想いってみましょう、どん。今回はこちら。

ラストホープ』2013年 主演:相葉雅紀

 

個人的には本当に面白かったというかめちゃくちゃ刺さり、見終わって1ヶ月近く経ついまだに数日置きに波多野せんせ…とうわごとをつぶやいています。ですが、正直に言って人を選ぶ、刺さる人にはとことん刺さるけどそのゾーンが若干狭めな作品だと思います。

ですので今回は、ラストホープを見ていない人に向けて「ラストホープはこんな人におすすめ!」という切り口で、まず作品の構造をつらつら考えていこうと思います。これこれこういう物語だから、こういう人にこの作品は向いていて、じゃあどういう人には向いていないのか。折しも二宮くんの「ブラックペアン」が決まった今、お医者さんつながりでラスホ見てみようかな、という人がいたら参考にしてください。とりあえず決定的なネタバレを避ける方針でいきます。

 

・「シン・ゴジラ」が好きな人

そもそもシンゴジラ見てないって?見よう。ラストホープはシステムとして巨災対に似ています。各部門のプロフェッショナルが集まってチームを組み、毎回登場する患者さんの状況に対して、彼らが解決に向け議論し動く。これがラストホープの基本の型です。ですのでけっこうな時間が「カンファレンス」に割かれます。

かっこいい白衣の専門家たちがわけがわからない専門的で難しい用語を早口でまくし立てながら次々とパスを回していくのを見つめる快感。停滞した議論が、小さなひらめきからドミノのように走り始めていく興奮。これがこのドラマのツボ、見せ場の一つだと思います。

逆に言えば、よくわからない、それが楽しめないという人には向かないと思います。一つの指標がゴジラ。あれが好き~~~~~って人にはけっこう効くと思います。一応字幕は出してくれたり、「つまり○○ってことですね」とか補足してくれる人がいるので親切設計。

 

・ノベルゲーム、TRPG経験がある人

1つめの項目で示した「基本の型」ですが、実際のところこのドラマは2層構造になっています。1話完結的な基本の型の下に、もう一つの物語がある。巨災対……じゃなかったセンターに集まっているのは、巨災対と同じく癖がある、ちょっと外れた、わけありの人たち。彼らにはそれぞれ過去や自分の生活がある。まぁ当たり前のことですが。例えば憎い相手が瀕死で運ばれてきたら、医者はその人を救わなければならないか?大きな力を持っている分、医者の判断に私情が挟まれてはならないのが世の常識ですが、でも医者だって人間です。思想と事情がある。

それをこのドラマでは、過去編などを用意するのではなく、フラッシュバック的に、「基本の型」の隙間で断片的に見せてきます。それも、時系列通りではなく、6人分。序盤なんて下手をすれば誰の記憶かもわからないレベルのときもある。それを見て、これは誰の記憶か、いつの記憶か、というのを考えて集めていかなければなりません。基本の型は時にフラッシュバックのトリガーとなったり、またはああ過去にこういうことがあったから○○先生はこの時一瞬ためらったのか、逆にあああの時先生がああ言ったのは過去にこんな経験をしていたからか、とつなぎ合わせる場になります。この作業がめちゃくちゃ楽しい。

こういう物語の進行法って、ゲームだとよくある気がするんですよね。あるところに行ったら物語がちょっと読めて、あるアイテムを手に入れたら物語がちょっと読めて、これで全部回収!みたいな。ただ馴染めない人には本当に馴染めないシステムだと思う。めんどくさいな!まとめてやれや!みたいな。えーここが楽しいのに~という人と評価が真逆になるポイントだと思います。

 

・手術シーンが平気

割ときっちり映りますので、ものすごく血が苦手だという人は自己責任で見たほうがいいと思います。逆に大丈夫な人は美男美女が術着で真剣な表情でメスを握る、最新技術に彩られた緊張感あるクライマックスを楽しめると思います。すごいぞ。

 

・こわい相葉雅紀が好き

みんな大好きに決まってるんですけどね、主演の話をしたいのでこういう見出しになってしまったね、しかたないね。
主人公・総合医の波多野卓巳はパッケージとしては穏やかで優しく超マイペースで患者さんに誠実、という人間ですが、実際のところ洞察力と想像力と推理力の鬼だし、自覚してるのか無自覚かわからないけれど人を誘導するのが上手く、これまた自覚的か無自覚か煽り力もべらぼうに高い。ついでに仕事もできる。それを全部「掴みどころがない」という評価で片付けている男です。何を考えているのか、または考えていないのか、はっきり言って視聴者にもよくわからない。こわい。

全然作品見てないのに言うのもなんなのですが、相葉さんの演技の見所は「オンになった瞬間とオフになった瞬間を表情で見せるのが恐ろしく上手い」というところだと思っています。波多野先生もしかり、誰かと腹の中を見せないように喋った後、別れた瞬間のスイッチを切った表情。1度だけ患者さんに対して感情的になった瞬間の、今まで纏ってきた何かが裂けて中身が見えた感覚。

こわい、というのはわかりやすく文字通りこわい、というより(文字通りこわくもありますのでご安心を。クッション殴ったりね)、波多野先生を見ていると何かがゆらぐ、よくわからない、正体不明の何かがそこにいるというこわさです。ついでに正体不明のものがめちゃくちゃ美しいのでなおさらね。美しいものはこわい。自然の摂理です。

あとオープニングの波多野先生はオタクがみんな好きなやつ(主語がでかい)なのでみんな見ましょう。

 

と、今まで見ていない人向けのプレゼンの体で分析と感想を書き連ねてきました。

これらを読んでへぇ、見てみよう!と思った人はぜひどうぞ。ついでにこの作品は医療ドラマであり、ヒューマンドラマでもありますが、そこまで濃く重くしつこく粘度が高く湿度が高い…というタイプの作品ではありません。湿度は低め。全体的に「まぁ大変なこともあるけど、どうしたって人生は続くよね」みたいな方針です。だって、人が死んでも、生きても、仕事をしなければならないのがお医者さんというものだし、2点目でわかるとおり、この物語はいわば「長い後日談」。「大変なことがあっても続いているこの人生」の話なんです。物語の本質がケセラセラ。個人的には物語が自分に合うか合わないかには物語の「湿度」と呼ぶべきものが自分に合っているか、が大切な気がします。ご参考までに。

 

 

さて、ここからはどうしても言いたいことがあるので、見た人向けの話をさせてもらいます。ついでにすごくひねくれた話をしますので、見ていない方、ひねくれた話(?)が苦手な方はここでそっとページを閉じていただけると助かります。

 

 

最初にこのドラマは人を選ぶ、って書いたんですけど、さらにこのドラマはラストの3分間でこれまで選んで見てきた人たちもふり落とす、ハイパーとがったドラマなんですよね。

あれを見てどういう感想を持つかで、けっこう意見が分かれると思うんですよ。正直に言って私はめちゃくちゃモヤった。嫌な意味じゃないです。私はそのもやもやを大事に抱え、考え続け、数日おきにうめき声を上げています。そういうのをくれるお話が私は大好物なので、楽しくうめいています。ううう。

 

要するに、ラストのオチだけでなく、このドラマの軸に「ヒーローの自己犠牲と自由意思」っていう現代の問題があると思うんですよ。

大昔は、強いヒーローが傷つきながら戦って、勝利を収めてみんなを救う!っていうのは無条件に受け入れられてたストーリーなんですけど、現代になるともうちょっと複雑で、ヒーローも悩んでいいんじゃない?っていう時代がやってくる。石ノ森作品あたりが顕著ですが。例えば、強制的にヒーローにされてしまったら?倒すべき敵が自分の愛する人だったら?人を救うために何かを犠牲にしないといけないとしたら?
次の段階に進むとヒーローが悩むだけじゃなくて、それを社会が認めていいのかっていう話になります。例えば今ドラマもやってるモブサイコ100とかもそのあたりの問題の話が視点としてあります。もし彼に力があって、世界を救えるのが彼しかいないとしても、心優しい普通の少年に望まない力の行使をさせて良いのか?子供にそれを強制する社会は正しいのか?突き詰めると少年兵とかの問題が絡んでくる。少年がやる気に満ちていたとしても人殺しはさせちゃだめ。自由意思があればいいという問題じゃない。そういう場合もあるわけで。

それでですよ。文脈的に医者は、そして波多野先生はヒーローなんですよ。常人にはない力を行使して、人を救うわけです。そこで「いや俺はこいつのこと嫌いだから治療しないよ」ってのは基本認められない。でも医者も人間なんだよ、そういうことを考えるときだってあるんだ、疲れるときもある、それでも医者は人を救いたいという思いで頑張るんだよ、っていうのが荻原先生とか橘先生とかなわけですね。悩むヒーローたちです。

でだ、問題は波多野先生です。波多野先生の場合はその上に、ヒーローであることが生まれつき強制されているということ、その力の行使には大きな自己犠牲が伴うということ、さらに社会はそれをどう見るかという問題がかかってくるんですね。

それで、最終的に波多野先生はヒーローであることを選ぶわけです。強制されたからじゃない、これが自分の意志なんだという条件付きで。

 

ちょっと待ってくれという話ですよ。ああ先生は自分の意志で覚悟を決めて決心したんだからそれが一番だね、よかったね、ちゃんちゃん、とはなれないよ。冗談じゃないよ。「社会はそれをどう見るか」がクリアできてないんだよ。なぜなら私がクリアさせないからだ。クリアさせてたまるか。あの移植手術自体のリスクは低いかもしれないけど、そういう問題じゃないんだよ。

あの手術台に乗せられて波多野先生が手術室へ運ばれていくシーン。真っ白な廊下に暖かい陽の光が差して。台を押すのは全幅の信頼をおけるいわば戦友で。あのシーンはとんでもなく美しくて、そしてとてつもなく寂しい。なぜなら、誰も波多野先生を止めてくれなかったからだ。貴方はもうこれ以上そんな運命も責任も背負わなくっていいからどこまでだって逃げろと言ってくれる人が、波多野先生にはいなかったからだ。

もちろん誰かが止めたって波多野先生は断るだろうし、もしも逃げたとしたら先生のことだからずっとそれを背負い続けてしまうのだろうと思う。橘先生も、それをよくわかっていたのだと思う。それでも。それでも。

本人が望まなくったって、貴方はヒーローにならなくていいんだと、わがままに誰も救えなくたっていいのだと、誰かを犠牲にしたっていい、生きる意味なんてなくったって生きてろと、貴方が愛せない貴方でも愛していると、誰かが言ってあげられなかったもんかなぁと、私は思うのです。

 

モンペをこじらせてしまいました。お見苦しい文章、大変失礼いたしました。私はまだまだずっと考え続けるんだろうなぁ、波多野先生のこと。全然わからない。とりあえず言えることはラストホープ最高ってことなので、よろしくお願いします。ブラックペアンも楽しみですね。

 

 

業務連絡ですが、Twitterアカウントとりました。どう運用するかは不透明ですが、もし興味のある方がいらっしゃいましたらお付き合いくださいまし。

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【超初心者が】ジャニーズショップに行ってみた【ルポ】

こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。毎度おなじみ、「untitled」で嵐の皆様にズブった人です。今日もハッピー。

超初心者シリーズなできごとがありましたので体験記を書いておこうと思います。じゃん。

先日、東京のジャニーズショップに行ってまいりました。

 

きっかけは別の推しのイベントが東京都であったこと。

私は現在、東日本の地方民です。外は雪がすごいよ。ですので、東京へ行く際は他に何ができるか?とノルマを考えることになります。イベントは夕方から。朝早くに到着すればその分時間ができます。

そこでふと思いついたのが、TLやらブログやらで時折見かけるアレ、「ジャニショ」というやつでした。

何か知らんが東京とあと大阪、名古屋あと福岡あたりには「ジャニーズショップ」というお店があるらしい。ふむふむ。偏差値の低い私ですが数年前まで東京都民だった身。名前は聞いたことがある気がする。というかまんまやんけ。ジャニーズのショップなんでしょう。たぶん。そこまではわかりましたがそこから先がいっこうわからない。ジャニーズネット見たんですけどお店の場所しかわからんレベルです。直営店なんだろうということはわかるがそもそも何があるんだ。全然わからない。

というわけで、勇気を出して、行ってみることにしました。なんせ、今の私なら、きっとお客になれる。アパレル店にそこのブランドの服を着ていると自信を持って入店できる、なんなら躊躇なく試着もできる、アレと一緒です。普通の人はいつでも試着できるのではないかというツッコミはさておいて、今の私ならただの好奇心によるひやかし見学ではないと胸を張れるのです。行くんだ私!

 

というわけで到着いたしました原宿。表参道。明治神宮。いつも迷うんですよねあそこってなんて呼称すればいいんだ?駅名どれかに統一しません?ちなみにもちろんぼっち。

まぁとはいえ元東京都民。その上神社仏閣好き。故郷のアンテナショップがあったり(お察しください)ついでに元推しの事務所のハコもあったりして(お察しください)、そこそこ土地勘のあるエリアです。えっそんなジャニーズのお店なんてこの辺あったっけ?

ぐーぐるまっぷ様のご神託に従い駅から3分。到着。

 

あっここ知ってる!!!!前通ったことある!!!見たことある!!!!真っ白なやつ!!!でも何のお店か全くわからなかったやつだ!!!

 

アンテナを張っていない人間というのはそういうものです。「これ何だろ、まぁいっか」ぐらいなもんです。いやでもそれにしてもわからないよね!!何なら怪しいハーブ売ってるお店って言われても納得するよね!!マルチとか怪しい宗教団体の事務所って言われても納得するよね!!まぁ実際似たようなもんですけど…(怒られろ)

 

平日の開店30分後なだけあって、特に列はありません。整理券配布とやらもないようです。うっかり入口っぽいところから入りそうになりますがこっちじゃないんですね。横に地下への階段があります。池袋のまんだらけの入口思い出しません?思い出さない、そっか……それでいいんですよ……

 

入ってマス目びっしりの紙ペラと筆記具を取ります。顔をあげるとなんとなく殺風景な空間に女性がひしめいています。壁にびっしり写真が貼ってある。うわーなんだこれは。

何がおちつかないんだろうって思ったんですけど、レジがないのでいわゆる「お店」感がないんですよね。大人の女の人たちが窓のない真っ白な箱の中にいるの、すごい「ヤベェ」場所にいる感じがする。

なるほど、壁に貼られた写真の番号を見て、手元の紙に書いていくわけですね。体育祭の後の廊下と一緒ですね。懐かしいスタイルです。

私は透明人間なんじゃないかってぐらい体育祭の写真に映らない人間だったので大抵買うものはなかったのですが、ここには当たり前ですがめちゃくちゃすばらしいかんじのお写真が並んでおります。とりあえず嵐のエリアを探す。ありました。位置的にはやっぱり壁か……とわからない人にはわからなくていいことを思う。

 

MV撮影時の写真が基本なんでしょうか、お写真。恐ろしく顔がいい…すごい…顔がいい…動画もいいんですけど、雑誌もいいんですけど、やっぱり違うね……何がだ…何かが…

個人的にこういうブロマイドのピントの合わせ方好きなんだよなー実を言うと写真も仕事にしてる人間なんですけど、雑誌の写真って最近もはや顔にしかピント合ってないやつ多くありません?肩はもうボケてるぞみたいな。いやそれもテクニックなんでしょうけど個人的にはもうちょっと深い方が好きです。じっと見てしまう。あっ後ろのお姉さますみませんどきます。うわ顔がいいな…

わかってもらいたいのですが、都会に比べ田舎の人間はこういうものを手に入れる機会がぐっと減ります。蘇る私のありし日のおもひで。お祭りの縁日にやってくるポスターくじ。くじ引きで当たるとジャニーズのポスターがもらえます。当時流行っていたNEWS(いっぱいいた頃)やKAT-TUN(こちらもいっぱいいた)。誰が誰だかわからない上に貼る場所がないけれど、みんなが引いているからと、ハズレの文具をもらえますようにと念じて引く罪悪感。

あの頃の友人たちよ、あの時はごめんな。今、私はジャニーズのブロマイドを買おうとしているよ。それも、お小遣いじゃなく自分で稼いだお金でね。ずいぶん遠くへ来てしまったよ。走り始めてから3ヶ月くらいなんだけどさ。

3次元の推しはいるものの、ブロマイドを手に入れる機会って舞台の物販とか、ネットプリントしかなくて(ジュノンさんありがとう)、だからすごい物量に感動してしまった。ただの紙なんだけど。しかも見本なんだけど。

気が小さいので震える手でMVの5人の集合写真を1枚ずつ、それから自担カッコカリのはずが気づけばカッコガチになっていた相葉さんの写真を震える手で数枚マークします。ちょっと前のなんでしょうけどたぶんPower of the Pradiseかな、ピンでグレーバックでただ立ってて斜め右上ぐらいの位置から撮ってるやつ。ネットの海のどこかで見かけててめちゃくちゃ好きだと思ったアレが、あった。すごい。紙ってすごい。物質を感じる。

紙を携え地上へと戻ります。空いてはいるもののレジ前はさすがに並んでいる。

私にはもう一つほしいものがありました。フォトブックです。近年3次元のうつくしいいきものを推すようになり、前述のようにブロマイドを手に入れる機会も増えたんですが、私は入れるケースを持ってなかったんですよね。量がないのでポストカードを入れる素敵なアルバムに入れてたんですけどサイズがちょっとだけ違うのでサカサカ動いちゃうの。いや100均でも売ってんだろって話なんですけど、なんかせっかくサイコーの推しの写真を入れるのに、まにあわせで特にお気に入りでもないもの買うのってなんか違うなーって気がしてたんですよね。今だよ。買うなら今だよ。

レジで紙を出すと、レジの店員さんが写真を背後の棚から取ってきてくれます。すごい。年賀状仕分けみたい。確認のためにカウンターに全部並べてくれます。うわちょっと恥ずかしい。けど隣のお姉さまのレジの写真の並べ方が盛大すぎて小心者はびびる。そうだよな、その人の全部の時は名前を書け、とか書いてあったもんね。そうやってロラって買う人の方が多いんだろうしね。逆に小心者ですまねぇ…という気持ちに。わりとわさっと普通に袋に入れて渡されます。店の前で静かにきゃいきゃいしている女の子たちの横を、一人そそくさと、離脱。

 

以上。ど素人がジャニショに行くとこんなふうになりました。見かけていた謎の白いビルの真相がわかってよかったです。家に帰ってフォトブ(装丁が良い)に写真を収めながら、あれは夢だったのではなかろうかと思ったりするぐらい、あの窓のない白い部屋はヤベェ非日常の場所でした。

東京はこわいな。でも、いつかまたあの場所に行く機会があったら、今度はブランドの服を着て入るアパレル店のように、もう少し背筋を伸ばして階段を降りようと思います。

 

以下履修記録の更新

【見た】
ラストレシピ 麒麟の舌の記憶
MIRACLE デビクロくんの恋と魔法
魔王
ラストホープ
世界一難しい恋
青の炎

【見ている】
99.9

 

映画『ラストレシピ 』フィクションは呪いだ【感想】

というわけで映画感想いってみましょう。どん。今回はこちら

『ラストレシピ 麒麟の舌の記憶』監督:滝田洋二郎 主演:二宮和也

 

※決定的な部分はぼかすもののネタバレの要素を含みます。映画館で見た人、もしくは見るのを迷っているのでふわっと展開を知っても構わないよ、みたいな人向けです。

 

これね、ほんの少々予告詐欺の感があります。カラー?テンション?が違うの。
だから見に行った人はけっこうな割合で「思ってたんと違う……」みたいな感想を持つんじゃないかと思う。実際私もそう思った。
でも予告ぐらいのテンションで見に行って欲しいという気持ちもあるんですよ……あと語りすぎるとネタバレになるので予告を作りづらいと思う。
そういう「ミステリー」「サスペンス」「ヒューマンドラマ」みたいなジャンルでくくるのが難しい映画だと思います。だからある意味「二宮くん出てるし」みたいなレベルの先入観で見るのが一番なんじゃないかなって気もします。

 


なので一旦以下にあらすじ紹介をしてみるとこうなる。

戦前の満州で、かつてとある日本人のシェフが作り上げたというレシピ「大日本帝国食菜全席」。一度食べたものの味を完全に再現することができる技を活かし、人生の最期にもう一度食べたいものを再現する依頼を請け負っていた天才料理人佐々木充(二宮)は、とある中国人からこの幻のレシピの再現を依頼され…

というところまでしか言えない。いや本当にこういうお話なんですれど、本質のところには全然触れられてない。これはパッケージでしかないんですよね。映画という視点でも実際のストーリーの視点としても。

これ読んだら絶対、ああこれから充はいろいろ料理作ったり試行錯誤してあと食材探し回ったりするんでしょ?美味しんぼかな?みたいに思うじゃん?

しかし充、なんと作中で全然料理作らない。ほんとに。二宮くんもそんなに練習してないって言ってたもんね。作らない。じゃあ何をするのか。


充は人の話を聞くんですね。当時を知る人たちの元を手がかりを探しながら歩き回る。そして話を聞く。聞く。聞く。
みんながそのレシピを作り上げたとある男の話をする。どんな思いでレシピを作ったのか。そこに何があったのか。彼が何を考えていたのか。


それを充は聞く。聞く。それだけ。それがこの映画のすごいところ。聞くだけ。なぜなら彼はそれに対して深く心を動かされる程の感傷を持ち合わせていないから。このレシピ探しだって報酬のためにやってるんですね。お金がほしいから。語られる過去の美しく微笑ましく悲しいしがらみに耳を傾けて、それでも彼が問うのはこれ。
「……で、結局、そのレシピはどこへ行ったんですか?」



一言で言うと、「フィクションの呪い」の話なんだと思った。
すでに予告にもあるんですけれど、「全てが偽り」なんですよ。本当に。レシピうんぬんに留まらず全てが。全部嘘。


そもそも料理、特に彼らが追い求めていた「レシピ」というものにはそもそもフィクションみたいなところがあると私は思っています。生きていくのに必要がない物。
食べないと生きていけないじゃんって言われるかもしれないけれど、でも何と何を一緒にこう調理して、こう盛り付けて……みたいなのってその生きていく範囲を逸脱してますよね。それはエンタテイメントであってカルチャー。私が極端に食事にこだわりのない人間だから余計にそう思うのかもしれませんけど。今日も夕飯をご飯、豆腐、りんごで済ませてしまってすみません……充さんに殴られそうだ。


でも天才料理人山形(西島)はその虚構に、生きていくのに必ずしも必要のないものにとりつかれてしまった。
それも「五族協和」の理想郷を掲げた国・満州で。嘘で塗り固められた舞台の上で、何もかもがフィクションで、お芝居で、おままごとにすぎなかった。


その「フィクションの呪い」みたいなものの残骸として生まれ、金とか人の心とか、そういう「リアル」と折り合いを付けられずにフィクションの怪物に成り果てていた充を抱きしめたのもまた、同じようにフィクションにとりつかれた日々を送った人々が作り上げた壮大なおままごと。

結局、大日本帝国食菜全席の、満州国の、そして山形の。フィクションのために多くの人が不幸になりました。けれど、その傷を癒すことも、フィクションでなければできなかったことでした。


死んだ人は帰ってこないし、何一つなかったことにはできないし、充の呪いはこれからも解けないんだろうけれど、「それでも私はその呪いを受け止めるよ、できたら貴方のとなりに私の椅子を用意してよ」っていう物語のスタンスがけっこう好みです。


いや、よくあるんだけどこういう「人間性に問題のある男が愛を知る」系の話いや人格変わり過ぎかよ!!みたいなのよくあるじゃないですか。そのへんの塩梅が大変良かったです。

 

 

というわけで細部の話をします。

この映画は巨大な叙述トリックの中にあるので、みんなが充に語る話も、本当に真実かなんてわからなくて、みんな肝心なところは話さなかったり、わざと核心を内緒にしたり、誰か特定できないような語り口にしてたりするんですよね。
それを再現VTRするわけで、「ん?こいつ意図的にこのこと話してないな?」とか「あれ、こんな人いたっけ?」「なんか時系列合わないな?」みたいなひっかかりが後でパチンパチンと解答編的にハマるのが楽しいです。そのつくりを理解するまでの前半ちょっとそのひっかかりが気になりすぎるのは否めないけれども。

演技の話。充も山形も、食べた料理の味を分析できる人なんですね。だから一口食べて、黙って考えてるんですね。もぐもぐ。
充が元々口数少ない男なのもあって、沈黙の時間がめちゃくちゃ長い映画です。あんだけ長く映画館のばかでかいスクリーンでアップで表情だけ抜かれて大丈夫な役者さん、そうそういませんよ。すごいんだ、本当に。

火の海、カツサンド、そこにはいない山形と見つめ合う表情。全部、目がセリフ以上にものを言うシーンでした。

西畑くんも良かったですね。派手なシーンはないけれど、逆に難しい役だったと思います。過去と未来の橋渡しを、何重にも重なった役割の中でしていくわけなので、穏やかな暖かいトーンが見事でした。ああこうして後輩さん達を覚えていくよ……

 

余談ですが、映画パンフレットにちょっとした仕掛けがありまして、そのページに至った時、映画のフィクションが急にすとんと手元に降りてくる感覚を味わうことができます。ほんと、鳥肌たったからね私。構成と装丁担当した人に一本取られましたなって感じ。機会があったら手に取ってみてください。


リアルの重みを知りながら、フィクションの怪物として、世の中を斜めに歩いていく充は、どことなく二宮くんとダブる部分がなくもない気がします。超初心者なりに。
スペクタクルはないけれど壮大、しみじみと地味なエモさがある映画です。地味だけど。好きです。


超初心者の2ヶ月の記録

こんにちは。先日のコンレポ(のような何か)を読んでくださった皆様ありがとうございました。

コンサートは無事に全公演が終了。初参戦から2ヶ月が経ちました。

 

先日のレポートでは「ラストレシピ見に行ってアルバム聞きつつしやがれを見てコンサートのDVDを待とう」と書きましたが、実際のところ

「ラストレシピ見に行って出演ドラマ4本見て映画1本見て原作小説3冊読んでアルバム端から聞いてコンサートDVD3本見て年末の雑誌と特番ラッシュを終えVSとしやがれとマナブとグッスポ見ながらコンサートのDVDを待ってる」

ということになっています。こんなはずではなかった。本当にこんな予定じゃなかったんだよ……どういうことだよ……白組優勝おめでとう……

自分の変節にわりとびっくりしています。あとここの沼地は掘れば掘るほど「うわ…推せる…」というものがごろごろ出てくるので困る。すごく困る。推せる。
なんせ私はエンタメ偏差値がびっくりするほど低い人間なので(中学入ってから社会人になる現在まで完走したドラマが「篤姫」「龍馬伝」のみ)知らないことしかここにはありません。私の嵐とのファーストコンタクトは小学校1年生の時の運動会の応援歌が「SUNRISE日本」の替え歌だったことですが、そこからそんなに進歩せずにいままで過ごしてきたため未開拓部分がきっちり18年分。この世はでっかい宝島かよ……

ありがたくも駄文を読んでくださってる嵐ファンの皆さんにわかってもらいたいんですけど、本当に私は嵐ファンの皆様がうらやましくて、だって、例えば漫画やアニメは多くて週1更新じゃないですか。終わった作品に何らかの「更新」が起きることって数年に1度レベルになるじゃないですか。ついでに私は2次元の推しが高い頻度で死ぬので友人に死神と呼ばれている女です。しんどい。

若手俳優は舞台に出てくれたり雑誌に出てくれたりちょいちょいインスタを更新してはくれますけど、人気や芸歴によっては全然次の保証がないんですよね。まじで次のお仕事を祈るように待ったりするわけですよ。インスタとかブログだってサビ残みたいなもんで本人がやらなけりゃ何もないし……推しが売れてくれますようにと祈る日々。

なんですけどぉ、すごくないですか?推しの更新頻度が。

すごい。新規作画が毎日レベルで拝めるし、新展開は毎週レベルで起きるし、もう、すごいじゃん。よくわからない。どういうことなんだろう。相葉さんと週に5回は出会ってるわけですね。二宮くん風に言うと。出会えるわけですよ。すごい。

信じてもらえないと思うんですけど、某ゲームなんて1年以上私は推しの顔3種類しか見たことなかったんですよ。びっくりだよ。干上がった砂漠がダムの底になった感じだよ。よくわからないんですけどとりあえず生活の幸福の濃度が上がった。ちょっと大丈夫なんだろうかと心配になるレベルで上がっている。私は元気。超元気。絶好調超って感じ。ちょっと落ち着いて欲しい。

いやもちろん何だって有限で次の保証なんかなくて、これから先何が起こるかなんて誰もわからないし、しかも今までにきっと同じように売れますように祈る日々が誰にだってあったわけで、そんなことはわかっているんですけど、でも、それでも。うう。日々がだいぶ幸福になってしまっている。楽しい。

というわけで自分の状況がだいぶ面白い感じなので、折に触れてパッションにまかせて今後もオタク日記を付けていこうと思います。感想とか。予定とか。あとで見返した時面白いだろうというのと、パッションにまかせた今しか書けないものがあると思うのと、あと先輩の皆様に面白がっていただけたら幸いかなというところです。私自身が「自分の好きなものへの愛を語っている誰かを見るのが好き」という人種なので……楽曲大賞大好き……ありがとうございます……

よろしくお願いします。生きるのがだいぶ楽しい。

 

 

以下は2ヶ月間の備忘録。今後感想を書いていくかもしれません。

【見た】
ラストレシピ 麒麟の舌の記憶
MIRACLE デビクロくんの恋と魔法
魔王
ラストホープ

【見ている】
世界一難しい恋
99.9

 

 

 

【超初心者が】嵐「untitled」に行ってきた【札幌レポート】

先日、機会があって嵐のドームツアー「untitled」に参戦してきた。

当方、元々嵐ファンではなく、そもそもアイドルのにコンサートに行くのが初めて、ドームライブに行くのも初めてという人間でした。

そんな偏差値の低い人間が突如ジャニーズのドームツアーに行くとどうなるかということを、忘れないうちに勢いに任せて書き留めておこうと思います。

なんせ偏差値が鬼のように低い人間が書いているので、失礼な発言、当たり前の発言、間違った情報が多々あることと思いますが、プロの皆様におかれましては、暇つぶしにへっぽこを観察して笑ってやろうじゃねぇかという気分で大目に見て下さると大変助かります。

大丈夫です。結論から言うとめちゃくちゃ楽しかった

というわけでだらだらと御託を並べていこうと思います。

 

【札幌ドーム17日公演のバレを含みます】

 

きっかけは、嵐ファンの母親が苦節○年の末に札幌公演のチケットを引き当てたことによります。

とりあえずの前提スペックなんですが、当方は嵐さんについては一般20代女性以下の知識しか持ち合わせていません。小さいころからドラマとバラエティをほとんど見ていないので主演ドラマとか1本も見たことないし……ヒット曲が何曲かわかって全員の名前と顔が一致するジャニーズはSMAPと嵐だけという体たらく。逆に考えるとそこに入れるSMAPと嵐すごいな…
ライブ経験はホールか小さなライブハウスか、それもロックバンドのみ。アイドルのライブは未知の世界。
うたプリとかあんスタとかですらノータッチで生きてきておりました。


しかし私は2次元3次元問わず「美しい男の子」がめちゃくちゃに好きです(断言)
なので、母(大野担です)の話すその概念、「推し」という概念には理解がありました。

わかる……わかるよその感情……愛とか恋とかを飛び越えた「推し」がいる人生の素晴らしさ……

普段は若手俳優Twitterを眺めて「顔がいい……」とかしみじみつぶやいている無力なオタクの私ですが、これは勇気を出して共に札幌に行くしかありません。待ってろ嵐さん。待ってろ初北海道。

 

 

というわけでたどり着きました札幌ドーム。17日。初日です。周囲は大量の女性でごった返しておりました。案外、年齢層下から上までいらっしゃいます。その数、5万人。すごい、うちの町の全人口より多い。こわい。

一応、新アルバムとベスト版を予習、JaponismのライブDVDをゆるっと見てはきました。準備はできています。しかし心はどアウェー。初めて見る「こっち見て♥」うちわ。すごい、本物だ。こわい。

 

並んで入場です。発券されるチケット。私知らなかったんですけど、事前にわからない上、席に値段差とかないんですね。あまりに博打。こわい。

 

我々が引いたのは1階(?)スタンド席。真正面から少しずれた、中頃のあたり。
…悪くないのでは…という感じです。全体がよく見える。アリーナに抱き合って喜んでいる幸運な人が見えます。聖抜かよ。携帯使えないのでただただスモークが焚かれたドームを眺めます。額縁。人がゴミのようだ。

 

忘れないように物販で購入したペンライト(?)の設定をします。これも初めて。説明書すっとばしてて設定できてない人を周囲で助け合うファンの姿が見られ大変ほほえましい。ライト、すべすべでかわいいです。思ったより明るい。3回ほどぽちぽちします。まぶしい緑色。

郷に入れば郷に従え。貴重なチケットを手にしておいていつまでもアウェーな気持ちでいるのは失礼というもの。推しがいると人生楽しいことを知っている、というかドームに入ってこりゃ絶対目が迷子になるなと感じた当方、今回は推しを仮定してライブに臨むことにします。相葉くんです。バラエティもドラマも見てないのでお人柄とかあんまり存じ上げないため、もう単純に顔がめっちゃ好みなので。あとああいう体の奥行が薄い男の人が最高に性癖なので(正直)。

限定のストラップをライトにつけ(これあるとだいぶ手が楽だったのでご参考までに)、準備は完了。開演を待ちます。隣のお姉さまのライトは赤く輝いている。ってか今更だけど初日ってすごいな。今このゴミのような人の群れが見るものはまだこの中の誰も見たことがないわけですよ。ざわつく5万人。すごい。こわい。

 

 

暗闇に緑色の光が走り1曲目。

すごい。遠い。1円玉より小さいレベル。しかし5万人の視線がそこにある。やばい。なんかよくわかんないけどそこにいるのは確かにヤバい何者かなのである。それだけはわかるんだけど脳の許容量を超えて飛び散る光。沸く5万人。

状況に頭が整理されないままに畳み掛けられる2曲目。I'll be there。
このイントロ終えてバァンって正面に大写しになった瞬間にいろいろ飛んだ。
めちゃくちゃに格好いいのである。低い姿勢で指パッチンするみたいなアレ(語彙力)。歌い始める彼ら。いや元々この曲好きなんだけど。それはそうともうね、キラッキラですよ。何がだ。よくわかんないけどすごいの。めちゃくちゃにカッコイイ男の人が5人そこで踊ってるんですよ。襲いかかる風雲。上がる会場の温度。うわーーー動く床。すごい、本物。

 

このあたりでわかっていただきたいんですけど、セトリ順にレポートをしようにもこの時点で私の脳はだいぶよくわからないことになっています。なのでここからは初めて日本一のアイドルのライブを見てわかったことを書いていこうと思います。

 

・かっこいい人はどこから見てもかっこいい

いや当たり前なのかもしれないですけど、彼らをカメラが抜いてリアルタイムで映してるじゃないですか。それがもう、いつ抜かれてもどっから抜かれても全てめちゃくちゃに格好いいわけですよ。全方位グラビア。常に神作画。カメラさんもすごいんだろうけど、もうね、リアルタイムでピクシブ1万user入り。なんてこった。
そして歌っている時も本当にかっこういい。二宮くんと松潤が特に上手なのかなって思ったんですけど、歌っている時にしてみせる熱っぽい目とかが染み込むように素敵なんですね。1円玉だとわかりづらいのでここはカメラさんありがとうな点なのでありました。

 

・嵐は上から

私が「うわー!私ほんとに嵐の現場に来たんだー!!」って思ったの、実は最初の挨拶。あれっていつも同じこと言う?らしい?んですよね?恒例のものがあるっていうのはいいことで、「うわーーーーーーーDVDでみたやつーーーーー!!!生ーーーーー!!」ってなれたし「嵐が来たぞーーーー!」でちょっと泣きそうになったんですけど、それはそうと、こう、「○万人幸せにしてやるぜ」も「いらっしゃいませ!」もこう、ステージの上からじゃないですか。「一緒にいいライブにしましょう」とかじゃなくて。その通り。幸せになりに、してもらいに来たんですよこっちは。でもあんまりそういうこと言ってくれる人っていないじゃないですか。俺たちはお前らを幸せにできるんだぞって言い切れる人。すげぇな。プロだな。と思いました。

なんていうか、アイドルってバラエティとかで普段のように喋ってる時もあるし、もちろん普通に人だから普通にご飯食べて普通にコンビニ行って普通に歯磨きして寝るわけで、あと私はアイドル業をしている人に仕事上でもプライベート状態の時にも会ったことがあるんですけれど、そういうのと「コンサート」「ライブ」っていう時の空気って全然違うと思う。

固有結界なんですよ。そこは彼らの磁場で、もうそこはその時にしか生じない空気が流れてる。

 

・ファンサはちゃんとこっち見てる

本当に申し訳ない話なんですけれど、「○○くんがこっち見た!」みたいなのって、いやそれは気のせいでしょ…って思ってたんです。思ってたんですけど…
いやあれたぶんわかるな?私にやられたとしても隣にいた人がやられたとしても気づくな?いや私はもらってないけど、見てるとあっこれきちんと見てやってるなってわかるねアレ。
あとウインクとかバキューンとか、いやそういうものがあるのは知ってる。知ってるけど、カッコいいものとして知ってはいるけど実際どうなんよ、と思っていました。でもまぁマジでかっこいい人がぴしっとやると死ぬほどかっこいいものなんですね。はたから見てても普通に致死量の余波を感じる。

 

この辺が本当に発見でした。

 

それから相葉くんの話。

相葉担カッコカリとして臨んだわけですけど、結論から言うと大正解だったというか、なんだあの人めちゃくちゃかっこいいな????

遠くから見ても笑顔がキラッキラしてて、トロッコの上でちょっと長めの裾をひらひらさせながらぴょんぴょんしてるのが可愛くて、ステージ特有のちょっとトンチキな色の衣装も普段着ですが何か?って勢いで似合ってて、お歌は案外優等生で(正直嵐「案外歌ってるんだな??」という感想でした。大変失礼しました。たまに音程下ブレする人がいてやっと「あっ歌ってるわこれ」ってなるという)、ダンスは腕と足がとにかくシュッとしててかっこよくてそれからなんか知らんけどはちゃめちゃにえっち。すごかった。もう、すごいぞ。

 

あとは知能を溶かされた脳がなんとか覚えてた曲の覚え書き。

・つなぐ

実を言うと「ドラマも映画もほとんど見てない」が「全く」でなく「ほとんど」なのはつまり「忍びの国は見た」ってことなんですけど(めちゃくちゃ面白かったので3回見たし友人3人への布教活動に成功しました)、あの演出、見た人にだけわかる爆エモ演出じゃありませんでした????つながれていた男の糸が断ち切られて「つなぐ」が始まるの激アツ。そして大野くんの超絶技巧です。嵐の皆様、めちゃくちゃにダンスうまいなって思ったんですけど、大野くんは安心感が凄まじいですね。見ててこの感じなんだろうと考えていたら夜行性の生き物三匹のMVの真ん中の人を思い出しました。書いてて何ですけどわかりづらいですね。すみません。体幹すごいという話です。

・UB

……何なんだ?何が起こっていたんだ?我々は何を見たんだ?イマモワカラナイ
私は元々予習の段階でUBわりと気に入っていたのとあのお二人のご関係をあまり存じ上げないので、「UBの詩の中の2人」として見てたわけで、それでも「致命傷で済んだ」って感じだというのに、お二人をずっと追いかけていた人々もいらっしゃるわけですよね。生きて札幌ドームから出られたのかがだいぶ心配です。

 

あとGUTS!で櫻井くんと相葉くんに挟まれる二宮くんとか、sugerの照明とか、UBの次にCome Backが来るショーケース感が好きとか、Monsterかっこよかったとか、いろいろありますがとりあえずこんな感じです。わからないなりにめちゃくちゃ楽しんだという話です。

 

私もオタクだからわかるんですけど、ファンというものは期間の長短に留まらず参入時期、お金の使い方、年齢に担当によってまぁとにかく総意というのは取れないもので、今回のツアーについてもいろいろコメントはあるんでしょうが、とりあえず私は来れて良かったと思ったし、それからめちゃくちゃにうらやましい。嵐のファンの皆様がです。定期的にアルバムが出てツアーがあって頑張るか運がよければ推しに会えて、そんな推しがめちゃくちゃに格好良くて、万単位の人を見込んだステージを組まれてて、まぁ行けなくてもテレビつければとりあえず動いてる姿が見られる。毎秒新規作画です。番組は来週もあるし、そしてきっとまた来年には次のツアーがあることを信じていられる。それってすごいことだ。本当にすごいことだ。

 

気づいたらくっそ長くなっていたな……結論楽しかったですというそれだけです。これから見に行く人がうらやましい。ここまでお付き合いいただいた方がいらっしゃいましたら本当にありがとうございました。とりあえずラストレシピ見に行って母がわさわさ貸してくれたアルバム聞きつつしやがれを見てコンサートのDVDを待とうと思います。